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「愛は通じなければ愛の値うちがない」

多分、木田恵子氏の本からは、これからも何度も引用をすると思う。

『「愛は通じなければ愛の値うちがない」というのが私の持論です。愛される側が愛されていると実感するのが愛であって、与える側がいくら愛していると主張しても、受ける側がわずらわしかったり、迷惑だったり、腹立たしかったりいらだったりする見当違いの愛では、値うちがないばかりか、かえって害になるでしょう。』

(『その時、子供はどう思うか 精神分析レポート①』 木田恵子 太陽出版 1983年 より引用

これほど私がいつも思っていたことと寸分違わぬことを、他の人が言っているのを見たのは、この箇所を読んだ時が初めてだった。

どんな関係でも成り立つ、公式のようなものだと思う。
一方通行は、それがアクションを伴うなら、愛ではあり得ない。
ただ遠くから無事を祈るとか、幸せを願うとか、見返りを期待もしなければ、相手に無理矢理それを認めさせることもないという形なら、また違うだろうが、大抵この通じない愛というのは、その主張を相手に力ずくに等しいやり方で押し付けてくるのが厄介なのだ。
「あんなこともしてあげた、こんなこともしてあげた、だからこれは愛に違いないでしょう?」と。
そして、その当然の報酬として、自分のして欲しいように振る舞うことを要求する。
相手のして欲しいことを、ちゃんと聞いてから叶えたのではない、という点は都合よく無視して。
そこには等価交換さえ成り立っていない。
相手は喉が渇いていたのに、塩分過剰の食事を差し出し、食べなければ怒り、口に押し込み、それを自分から食べたと言って、お返しに「自分はこれこれが欲しい!ちゃんと言った通りにしてよね!」と迫る。
そしてそれを愛、しかも双方向の愛だと主張する。
嘘も百回どころか数え切れないほど言われれば、何やら「ホントウ」らしい様相を帯びて来る。
私はこれは、立派な「洗脳」だと思っている。
された方は大体、何らかの形で壊れてしまう。

by Reimei34 | 2018-10-08 23:26 | 毒母

鬱、ひきこもり、毒になる母などについての 言葉にするのが難しい痛みの記録。


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